あらすじ_25_02
地球に帰還した直子は、姉の葬儀を済ませるとすぐに諮問会議への参加を求められた。各種専門家に取り囲まれて理沙がかつて話していた
軍法会議のことを想像したが、雰囲気は大きく異なり存在を否定されることもなければ、これでもかというように責任追及されることもなかった。
理沙のアドバイス通り、誠実かつ正直に事実を伝える事につとめ、専門家からの質問に対してもよどみなく対応した。あくまでも主観をもとにしてはいるが。
直子の主観をもとにしたコメントに、専門家たちは理解に苦しみ、なかなか理解できないようだった。無理はない、システムの世界は人間は理解を超え、
そのシステムの世界から一方的に隔絶されてしまった今では根拠となるデータを示すことができない。木星での全面戦争直前の出来事について
専門家達は努力と時間をかけて分析とシミュレーションを行ったが、システムには異常個所はなく、揚陸艦の兵装にも問題は発見できなかった。
システム全体のノード数がある総数を超え、全体最適化ルーチーンが全面戦争を排除すべき事象と判断して事態に介入したとの直子の見解に、
専門家の意見をただ眺めていた議長がようやく発言した。それでは、地球ではいまだに何もかもが混沌として頓挫しているのはなぜなのか。