あらすじ_25_07
夏の日の午後、直子はようやく女性歌手の元マネージャーと会うことができた。年齢は直子と5歳ほど年上で、元マネージャーは再生医療の力で
見た目はまだ若いころの姿を維持し、日々精力的に仕事をしていた。昼食を一緒にとりながらしばらくの間は理沙についての思い出話が続く。
理沙からは断片的に、昔地下アイドルをしていた頃に元マネージャーから世話になったことは聞いていた。担当していた女性歌手の死をきっかけに
理沙は単身で米国に渡り、その後も何度か理沙とコンタクトを取ろうとしたものの、既に自分の進む道を決めた理沙とはしばらく疎遠になった。
その後理沙が軍を退役後に再会し、理沙からのアイディアを生かして小説を書き上げたものの、発表に至ることなく自ら封印していた。
せっかく書き上げたのだから発表すべきだと直子は勧めた。しかし元マネージャーは、本来であれば女性歌手と理沙の生き方を対比して
2人のそれぞれの足跡を書こうかと思っていたところ、理沙が亡くなってしまったことでモチベーションを失ってしまったようだった。
同じように前に進むモチベーションを失いかけていた直子だったが、2人での会話はお互いに心の再生の最初の一歩となった。