あらすじ_25_15

女性歌手の元マネージャーと前回会ったのは10年以上前。お蔵入りにするつもりの小説を世に出すと連絡があり、直子は久しぶりで会うことにした。
多少書き直したもののオリジナルのままで世に出すことに、直子は特に異論はなかったが、持ち帰って改めて読み返してみると、
直子は違和感を感じ、何か物足りないことについて元マネージャーに語った。伝説の女性歌手を引き立てるために理沙の事が語られているが、
姉の最後を見てしまった直子にとって、理沙の物語はリアリティに欠けていると感じられた。2人は夜通し足りないものについて語り合ったが、
話し合いの結果、そのことを補えるのは直子だという結論になった。直子の目から見た理沙について語り、長い無意識の状態から蘇り、
執念とも怨念ともいえるような体験ののち理沙と再会するストーリーが徐々に頭の中で形になり、書き始めたのは2人で打ち合わせした1か月後。
元マネージャーが小説を世に出し、徐々に世間で話題になってゆくのを横目で見ながら、直子は徐々にではあるが書き進めていた。
仕事はその間にも着々と進み、恒星間探査機がプロキシマBに出発し、スペースコロニーの建設が始まり、大統領は交代した。



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