あらすじ_25_18
遺伝子診断や治療の技術が進む中、DNAから各個人の限界寿命を予測することが可能となり、社会では様々な波乱を起こしていた。
そんなある日、直子は事業団元長官からメールを受け取った。話したい事があるので直接に会いたいとの事。直子は指定された酒場で出会った。
老いは体のあちこちに見られるものの、年齢を感じさせないほどの爽快さ。しかし元長官は限界寿命が近い事を直子にまず語り、
理沙と2人だけの秘密になっているであろう、2人だけの過去の関係について語り始めた。サイボーグ手術が完了し彼の家に押しかけた理沙。
熱い気持ちが抑えられずにそのまま深い関係になった夜の出来事を聞き、直子は理沙が元長官に対して抱いていた心境を知り、
初めて知った本心を自分の事のように痛感した。しかし2人がその後結ばれることがなかった真の原因を知り、直子の心は怒りに震えた。
反射的に直子は元長官に思いっきり平手打ちを浴びせていた。まさに理沙と元長官が別れたあの夜と全く同じ光景が再現されていた。
2か月後、元長官は多臓器不全で突然に亡くなった。直子が食らわせた平手打ちが直接の原因かどうかは定かではない。