あらすじ_25_19
2130年を迎え、姉が亡くなってから30年以上の日々が過ぎた。心の片隅には姉についての想いがまだ残るが、忙しいが規則正しい毎日の生活が
余計なことを考える事を防いでいた。プロキシマBへの探査機に続き、バーナード星へも探査機が出発した。プロキシマBからデータが届くのは数年後、
その時には最初の決断が下されることになっていた。地球再生計画の保険として、太陽系外の複数の恒星へ移住船を送り込み、
人類の生き残りのチャンスを作ることが目的だった。しかし直子は自分には関係ない事と考え、プロジェクトからは距離を置いていた。
プロジェクト推進タスクのリーダー格から何度か直子宛に連絡があったが、積極的には反応しなかった。巨大宇宙船の仕様に詳しいため、
直子にはぜひとも参画してもらいたいとの熱い誘いに、ようやく直子は参画することを決めたが、画してみると世代の格差を強烈に感じた。
直子が木星にいたときに育成していた新人オペレーター達は、すでに引退しているか、軍や開発局の幹部クラスになっていた。
今では彼らに育成された要員が中核であり、彼ら中核メンバーから見れば直子は神の存在だった。彼らの視線を気にしつつも直子は仕事に集中した。