核融合燃料輸送用タンカー

前項、「輸送用ダグボート」に引き続き、ここでは木星周回軌道上の精製プラントから作業プラットフォームへ輸送された、
ヘリウム3/水素輸送用カートリッジタンクを、消費地である地球含めた太陽系の各惑星へ輸送するために作られた、
核融合燃料輸送用タンカーについて説明します。

核融合燃料であるヘリウム3は、当初月の土壌から抽出して採取されましたが、
月の土壌から抽出する手段では大量生産の点で限界があること、月の土壌の環境保全の観点から、
2060年代から木星の上層大気中から抽出/精製する方法へと移行が行われました。とはいえ、木星は地球から最短でも6億キロの距離があるため、
大量かつ高速に輸送する手段が必要となります。この輸送用タンカーは、地球/木星の相対位置にもよりますが、
3か月~半年の期間で木星から地球への核融合燃料輸送を可能とするために作られました。

核融合燃料輸送用タンカーの全体図は以下となります。詳細は「
核融合燃料輸送用タンカー」もあわせて参照してください。

全体のイメージ図
核融合燃料輸送用タンカーの各コンポーネントについて説明します。
船体は、指令/居住/管理区画、貨物区画、貯蔵タンク/動力/推進システム区画の3つで構成されます。

貨物区画には、ヘリウム3/水素を充填した輸送用カートリッジタンクを取り付けるためのハードポイントが多数設置されており、
作業プラットフォームに接岸後、精製プラントから輸送された輸送用カートリッジタンクの取り付けを行います。

<指令/居住/管理区画>
●指令区画
  ・コクピット、制御システム
  ・エアロック
●居住区画
  ・個室、ユニットバス、トイレ
  ・食堂、キッチン、食料倉庫
  ・休憩室、アスレチックルーム
  ・水/空気/有機物リサイクルシステム
  ・ドッキング用通路
●管理区画
  ・中央制御室
  ・電力、核融合炉制御
  ・非常用退避カプセル
  ・移動用シャトル(屋外設置)

<貨物区画>
  ・トラス構造体
  ・電力/制御ケーブル用パイプスペース
  ・貨物取付用ハードポイント
   (25メートル級カートリッジタンクに対応)

<貯蔵タンク/動力/推進システム区画>
●貯蔵タンク
  ・酸素/水素タンク
  ・ヘリウム3/重水素タンク
  ・水貯蔵タンク
●動力区画
  ・核融合炉
  ・ラジエーターパネル
  ・荷電粒子保護用磁気シールド
●推進システム区画
  ・核融合クラスター推進システム:4基


輸送用カートリッジを貨物区画に取り付けたときの図を以下に示します。

1.ハードポイントのみの接続での構成(標準構成と呼ぶ)
  貨物区画は、12のユニットで構成されており、各々のユニットにはカートリッジタンクを6つ接続することが可能です。
  この標準構成では、縦に12個接続したカートリッジタンクを6つ接続し、総数で72個のカートリッジタンクを輸送します。


標準構成:カートリッジタンク72個構成

2.ハードポイントと、カートリッジ自身のハードポイントを併用した構成(拡張構成と呼ぶ)
  カートリッジ自身にも4組のハードポイントが装着されているので、標準構成のさらに外側にカートリッジタンクを取り付け、
  輸送個数を増やしたものです。
  下の図は、標準構成の外側にさらに72個のカートリッジタンクを接続(ダブルスタック構成)し、144個輸送するときの構成です。
  ダブルスタック構成の外側にさらにカートリッジタンクを接続し、搭載個数を延々と増やすことも可能ですが、
  輸送中の荷崩れ等の懸念、加速性能が落ち輸送に要する時間が増大する事になる為、トリプルスタック以上は非推奨です。


拡張構成:カートリッジタンク144個構成



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