原子力ラムジェット機

探査船「エンデヴァー」に搭載されている、原子力ラムジェット機について説明します。

原子力ラムジェット機は、ヘリウム3が含まれていると推定される木星の上層大気を採取/持ち帰り、
木星上層大気に含まれるヘリウム3の総量の見積もり、および木星上層大気中のヘリウム3採取の手段の検証、
木星大気からのヘリウム3採取が、事業として採算がとれるのかといった事の検証が行われました。

原子力ラムジェット機の全体イメージ図を以下に示します。

全体のイメージ(左:上から見た図/右:横から見た図)
原子力ラムジェット機の各コンポーネントについて説明します。

詳細は「
原子力ラムジェット機(木星大気採取実験用)」もあわせて参照してください。
●指令モジュール
  ・制御システム
  ・航行、管制、通信システム

●動力モジュール
  ・原子炉
  ・熱交換器

●推進モジュール
  ・原子力ラムジェット推進システム(4基)
  ・推進剤タンク(大気圏外用)
  ・耐熱パネル

●大気採取・保管モジュール
  ・気体圧縮用小型コンプレッサー
  ・冷却システム
  ・高圧貯蔵タンク

●胴体一体型翼
  ・複合材骨組み、ハニカム構造パネル
  ・耐熱パネル

原子力ラムジェット機の各システム動作について、フロー図形式で以下にまとめました。

木星上層大気飛行中は、翼前縁部のエアインテイクを開き大気を取り入れ、加圧/圧縮して機体内部のタンクに貯蔵します。
ラムジェットエンジンでは、大気を取り入れて高速圧縮、後方に高速で噴射します。
原子炉は、大気の加圧/圧縮およびラムジェットエンジンの動力として、超高温の熱を供給します。

<各サブシステムの動作/連携について>

●大気採取・保管モジュール
  翼前縁部のエアインテイクから大気を取り入れ、ノズル状のコンプレッサーで高速圧縮する。
  圧縮された大気は、別途取り入れた大気(圧縮大気と比較して低温)で冷却、原子炉の熱供給で動作するターボポンプでさらに加圧し、
  機体内部のタンクに貯蔵する。

●ラムジェットエンジン
  機体下部のエアインテイクから大気を取り入れ、ノズル状のコンプレッサーで高速圧縮する。
  原子炉から供給される熱で圧縮した大気をさらに高温に加熱、機体後方へ噴射することで推力を発生させる。
  なお、木星上層大気から脱出し上昇する際には、外気の取り入れを徐々に減らし、機体内部タンク内の推進剤を使用し推力を発生させる。

●原子炉/熱交換器
  大気採取・保管モジュール、ラムジェットエンジンに高温の熱供給を行う。
  動作中は、ほぼ熱暴走寸前の状態であるため、メルトダウンすることがないよう制御されている。

  
原子力ラムジェット機のテスト実施の際の飛行コースについて説明します。

「エンデヴァー」から降下した原子力ラムジェット機は、木星上層大気中を飛行して大気のサンプルを採取、
作業が修了すると再び上昇し、「エンデヴァー」へと帰還します。
本来であれば「エンデヴァー」の最初の航海で実施される予定だったテストは、土星への出発が早まったために実施されず、
2回目の木星探査で実施されることになりました。
詳細は、サンプル版ストーリーの「
サンプル採取」の中で触れていますので参照してください。
<原子力ラムジェット機テスト時の飛行コース>

1.出発
  推進システムを使用し、「エンデヴァー」を出発する

2.降下/大気突入
  「エンデヴァー」の周回軌道から降下し、ヘリウム3の含まれる木星上層大気に突入する

3.大気採取
  ラムジェットエンジンで速度を維持しながら、木星上層大気を採取する

4.加速/上昇
  大気採取が完了すると、加速/上昇し木星上層大気を離脱する

5.帰還
  「エンデヴァー」に帰還する



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