居住区画
恒星間宇宙船の居住区画について説明します。
下記図は、宇宙船の外壁および一部の内部構造を取り除いた状態を示したものになります。
居住区画は船体の前方にあり、港湾区画と推進剤貯蔵タンクに挟まれた部分に配置されています。
恒星間宇宙船全体図(内部構造を示したもの) |
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居住区画は円筒形の構造で、直径は約300メートル少々、幅は約100メートル少々の大きさで、
内部は1分間に1回転程度ゆっくりと回転し人工重力を生み出しています。下記図にて居住区画の断面図も示しています。
隣にある港湾区画とは、6か所の開口部分にて行き来が可能となっています。
中心部分には、管理区画と接続する連絡用シャフトがありますが、居住区画はこのシャフトとは繋がっていません。
下の図で示しますが、居住区画(黄色部分)はドーナツ型の構造体で、このドーナツ型構造全体が回転しています。
居住区画/港湾区画との配置関係 | |
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●居住区画 ・人口重力エリア:直径320m/幅110m ・港湾区画と繋がる6か所の開口部 ●港湾区画 ・発着用ベイ設備 ・ドッキングポート連絡口 ・受付ゲート ●管理区画連絡用シャフト ・連絡通路 ・パイプスペース |
居住区画を平面に展開したものが下記図になります。
幅が約100メートル少々、長さが約1キロメートルの居住区画は、6つのブロックに分かれています。
円周方向に2本、その道路に直角に交わる6本の5メートル道路があります。
道路により区切られた18の区画は、下記図に示すように4つの地区に分けられています。
居住区画(平面展開図) |
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●各地区についての説明 ・居住地区 低層住宅が配置され、最大5,000人が居住可能となっている。 ・商業地区 商店街や娯楽施設が配置されている。非常時にはインフラ設備地区と同様の機能(食料、水、生活必需品等の提供)が可能である。 ・インフラ設備地区 水道、空調、電気供給等の生活インフラ設備が配置されている。 ・自治/管理地区 居住者のための自治/管理設備が配置され、居住区画全体が1つの自治体として機能することが可能となっている。 |
居住区画のドーナツ型構造体の内部構造について、以下の図にて示します。
構造体の床は、まわりを取り巻く船体構造外殻から磁力を利用した平面ベアリングで浮いた状態になっています。
浮いた状態で床全体が動いているため、小さな力で構造体全体を回転させることができます。
構造体の天井までの高さは40メートル程ですが、居住者が天井の高さを意識することで息苦しさを感じる事がないように、
天井は全体が光る照明であるとともに、昼間は明るい青空、朝には朝焼け、夕方には夕焼け、夜には一面の星空が投影されるようになっています。
これは、居住者が息苦しさを感じる事なく快適に過ごせるように、タイタン居住基地で実証実験が行われた結果に基づくものです。
構造体の両側は高い壁になっていて、円周6か所に隣の港湾区画へつながる連絡口があります。
壁の外側は緩衝部になっています。回転していない港湾区画との間で秒速10メートル少々の速度差があるため、いくつかのリング状構造物が組み込まれており、
回転していない港湾区画から段階的に速度を上げて、秒速10メートル少々の居住区画にシンクロできるような工夫がされています。
居住区画ドーナツ構造体の内部構造 |
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