原子力ラムジェット機(量産型)

探査船「エンデヴァー」2回目の航海にて、木星で原子力ラムジェット機のテストが実施されました。
テストにより原子力ラムジェット機の各コンポーネントが仕様通りに動作することが確認され、木星上層大気のサンプル採取が成功したので、
引き続き量産型の原子力ラムジェット機が製造されました。
以下に、原子力ラムジェット機(量産型)の全体イメージ図を示します。

テスト用の機体と量産型の違いについては以下になります。

●機体の大型化
●ラムジェットエンジンの増強、原子炉モジュールの出力UP、貯蔵タンクの容量UP
●翼前縁部分の増強/耐熱性能向上、翼下面部分の耐熱性能向上

全体のイメージ(左:上から見た図/右:横から見た図)
原子力ラムジェット機は、「エンデヴァー」でのテストが行われた後に、量産型プロトタイプが製造され2070年代前半に木星でテストが行われました。
テスト時に不具合が発生し、機体が失われる事態になりましたが、原因追及が行われたのちに改良型が製造され、2080年代から本稼働に至りました。


量産型プロトタイプの詳細は「原子力ラムジェット機(量産プロトタイプ)」を、
その後の改良型の詳細は「原子力ラムジェット機(量産プロトタイプ・改良型)」もあわせて参照してください。


原子力ラムジェット機の推進システムの構成について説明します。

構成概要については、「
原子力ラムジェット機」の項にて説明しましたが、
ここではもう少し具体的なコンポーネントと動作について説明します。以下、構成要素を図にて示します。
推進システムは、熱供給を担うモジュール型原子炉を中心に、ラムジェットエンジン、およびヘリウム3/水素採取装置にて構成されます。

原子力ラムジェット機の推進システム(およびヘリウム3/水素採取装置)の構成図
<構成要素詳細>
1.ラムジェットエンジン用ノーズコーン

2.可変式外気取り入れ口

3.推進剤タンク

4.推進剤噴射口

5.モジュール型原子炉

6.ラムジェットエンジン熱交換器

7.ラムジェットエンジン噴射口

8.外気圧縮用多段式ノーズコーン


9.外気圧縮用取り入れ口

10.コンプレッサー

11.分流エリア

12.タービン用熱交換器

13.コンプレッサー用タービン

14.排気口

15.ヘリウム3/水素用貯蔵タンク

推進システムの動作状況について説明します。
以下の図にて、木星上層大気突入中、大気採取中、上層大気脱出/上昇中の状態について説明します。

<木星上層大気突入中>

●木星上層大気突入にあたり、大気圧による減速分を
 打ち消す程度にラムジェットエンジンを動作させる

●大気採取装置はまだ停止状態

<大気採取中>

●翼前縁のエアインテイクを開き、大気採取装置を始動する
 原子炉の熱を利用しコンプレッサー用タービンを動作し
 大気を圧縮し貯蔵タンクにヘリウム3/水素の外気を
 圧縮貯蔵する

●大気による減速分を打ち消すためにラムジェットエンジンの
 推力をさらに上げる

<上層大気脱出/上昇中>

●大気採取装置を停止し、エアインテイクを閉じる

●上層大気を脱出し、上昇するためにラムジェットエンジンの
 推力をさらに上げ、上層大気を脱出後はノーズコーンの
 外気取り入れ口を閉じて推進剤を加熱し推力を発生させる



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