環境構築シナリオ
木星の核融合資源開発拠点の、インフラ設備完成に至るまでの環境構築シナリオについて説明します。
以下図は、木星資源開発拠点のインフラ設備が完成した時点(2090年代)での設備の構成図になります。構成は以下となります。
なお、各作業プラットフォームの詳細については「作業プラットフォームのデザイン(2)」もあわせて参照してください。
●作業プラットフォームA/B/C:旅客/貨物兼用プラットフォーム、灯台衛星と連携した管制業務をメインで担当する
●作業プラットフォームD/E/F:旅客/貨物兼用プラットフォーム、管制業務のバックアップも担当する
●作業プラットフォームG/H:貨物専用プラットフォーム
●精製プラントA/B/C:原子力ラムジェット機が採取した木星大気から、ヘリウム3/水素の分離と精製を行う。原子力ラムジェット機のメンテナンスも行う。
作業プラットフォーム、精製プラントの木星周回軌道上の位置については「木星資源開発拠点の配置概要」もあわせて参照してください。
木星資源開発拠点のインフラ構成図 |
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1.第一段階:地球/月L3でのインフラ設備組み立てと木星へ向けての搬送
地球や月の周回軌道にある作業プラットフォームのように、地球から木星へ向けて部品を搬送し木星周回軌道上で組み立てるのは非効率なので、
設備はある程度組み立てて完成寸前の状態で木星へ搬送し、木星周回軌道上では最終の組み立てのみとします。
以下の図は、作業プラットフォームおよび精製プラントを木星へ向けて搬送する資材輸送用超大型キャリアー、および輸送用キャリアーの推進剤を
輸送する核融合燃料輸送用タンカーになります。
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●実施概要 ・作業プラットフォームおよび精製プラントの部品を、地球/月L3作業プラットフォームへ輸送する ・地球/月L3作業プラットフォームにて部品の組み立てを実施。完成寸前の状態にまで組み立てする ・完成寸前の作業プラットフォームおよび精製プラントの木星への搬送 |
2.第二段階:作業プラットフォームの設置
最初の作業プラットフォームを木星周回軌道上に設置します。
作業の前線基地設置にともない以降の作業コントロールは木星側が主体となります。
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●実施概要 ・作業プラットフォームの設置と、設備の動作確認 ・港湾設備の受け入れ準備と稼働開始。この時点からコンテナ船の地球/木星間の運行が始まる(仮運行状態) ・地球/木星間の船舶運行開始にともない、灯台衛星と連携した管制業務の開始(仮運用状態) |
3.第三段階:精製プラントの設置と作業プラットフォーム間の輸送テスト
精製プラント1基が地球から到着します。
また、作業プラットフォームも追加で1基地球から到着するので資材/人員の受け入れ能力が増強されます。
核融合燃料生産テスト実施に先立ち、精製プラントと作業プラットフォーム間の核融合燃料輸送のテストを行います。
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●実施概要 ・精製プラントの設置と、設備の動作確認 ・作業プラットフォームの増設と、設備の動作確認 ・精製プラント/作業プラットフォーム間での、核融合燃料輸送用カートリッジの搬送テスト |
4.第四段階:作業プラットフォーム3基体制の確立、原子力ラムジェット機テスト開始
作業プラットフォームが地球から追加で到着し、作業プラットフォームA/B/Cの体制が確立します。
精製プラントが地球から追加で到着し、あわせて到着した原子力ラムジェット機を使用し木星大気の採取テストを行います。
木星大気採取/作業プラットフォームへの搬送/タンカーへの積み込みの一気通貫の生産テストを行います。
作業プラットフォーム3基体制が確立したので、管制業務の本格運用が始まります。
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●実施概要 ・精製プラントの増設と、設備の動作確認 ・作業プラットフォームの増設と、設備の動作確認 ・原子力ラムジェット機の到着後、木星大気採取のテスト実施 ・木星大気採取/ヘリウム3精製作業/作業プラットフォームへのカートリッジ搬送/タンカーへの積み込み含めた、一気通貫の稼働テスト ・作業プラットフォームA/B/Cを中心とした、管制業務の本格運用開始 |
5.第五段階:インフラ設備構成の完成、核融合燃料生産本稼働開始
追加の作業プラットフォームが到着し、作業プラットフォーム6基体制が確立します。
精製プラントも1基追加で到着し、精製プラント3基体制が確立し核融合燃料生産本稼働となります。
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●実施概要 ・精製プラントの増設と、設備の動作確認 ・作業プラットフォームの増設と、設備の動作確認 ・原子力ラムジェット機/精製プラント/作業プラットフォームのインフラ構成が完成し、核融合燃料生産本稼働となる |
6.第六段階:作業プラットフォームG/Hの増設により、木星の交通インフラ設備の完成
核融合燃料輸送用タンカー専用の作業プラットフォームG/Hの設置により、作業プラットフォームA~Fまでのタンカー受け入れ負荷が減り、
貨物/旅客輸送の受け入れに余裕が生まれます。
この事により、作業プラットフォームA~Fを使用した、木星を深宇宙交通のハブ拠点とするための交通インフラ設備が本稼働します。
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●作業概要 ・作業プラットフォームG/Hの設置と、設備の動作確認 ・精製プラントと、作業プラットフォームG/H間でのカートリッジ搬送テスト完了後、作業プラットフォームG/H本稼働開始 |