「気にならない・・・・?」
店の女の子達が来るまでに、まだ1時間以上の時間があった。
カウンター席には、理沙とママの2人だけ。
「そりゃ・・・・気にしていたけど、でも、どうするの?」
いつも気になっているマスターの行動、しかし、ママはなかなか手を下せないでいる。他人事とはいえやはり気になる。
「だから・・・・・。」ママは少しいらだっている。半分も吸っていない煙草をもうもみ消してしまった。
「あれこれ想像していてもだめだよ。直接話してみなよ。年上だからって気にしない、気にしない。」
理沙はカウンター席を立った。
「いろいろ理由なんてつけられるんだし・・・・あの娘の成績とか、ママのあなただったら、いろいろ考えられるでしょ・・・・?」
振り返って、理沙は彼女のほうを見た。
「変だね・・・・あんたから言われるなんて」ママは微笑んだ。
「まあね・・・・・・・長い付き合いだから。」
理沙はゆっくりとステージ席を歩きはじめた。